先日の『行列のできる法律相談所』で、「職場の女性に次々と手を出す男をクビにできるか?」という相談があった。
そんなの当然クビにできるでしょ。
その男だけが平然と職場に残り、その状況に耐えられなくなった女性達は次々と辞めていく。そして新しい女の子が入り、また彼の餌食になる・・・なんて状況はありえない。
彼一人を辞めさせれば済むことなのだから。
なーんて思いますけど、みなさんはどうでしょう?
ちなみに、あの番組の放送後、「あの相談、アンタが送ったんでしょ?」と友達から電話がきた。
******************************
女上司は職場のトップに話してくれたらしい。
次の日、私はトップに呼び出された。
嬉しい事に、トップはアキラより私の話を信じてくれた。
アキラは私が精神病で彼につきまとっている。彼女が心配だ、と泣いていたらしいが、トップにはそんな彼がウソくさく見えたらしい。
そして・・・驚くべきことというか、やっぱりというか
アキラの経歴、あれは全部ニセモノだった。
有名大学も出ていない、専門学校卒だそうだ。
病気もウソだと思う、とトップは言った。
(私もそう思う。現に彼が「あと一年の命」と言ってから何年も経っている。まだ死んでないどころか入院もしていない。)
「彼の家族は、ウチの職場での彼の女性関係は何も知らないらしい。
好き勝手に遊ぶためにうまい事言ってアパート借りたんだろうね。」
アキラの奥さんの家のコネで、アキラは今の仕事に就いているらしい。
「でも、そんなケダモノの様な男は、辞めさせないと。全ての責任は男がとるべきだ。彼は何があっても辞めたくないと言っていたがね。」
トップはおじいちゃんなのだが、ものすごく素敵に見えた。
そして・・・・アキラはウチの職場を辞め(クビになり)、奥さんの家のコネで、再就職したそう。
ウチの職場を辞めた理由は、「今の仕事はやり遂げた。自分を高めるためにも新しい職場でチャレンジしてみたい。」
正確には、「今の職場の女達とは、一通りヤリ遂げた。新しい女をひっかけるためにも新しい職場でチャレンジしたい。」だろ!
懐が大きいというか、バカというか、アキラの奥さんはアキラを信じていて、今回の辞職に何の疑問ももたなかったそうだ。
新しい職場に、女の子いないといいけど・・・。
そして、チエコは未だにアキラと半同棲しているらしい。
アキラの後任で入ってきた人は、女性だった。
トップは、「これからは当分、女性しか採用しない。」と言っていた。
この女の園で、私はこれからも頑張っていく。
そんなの当然クビにできるでしょ。
その男だけが平然と職場に残り、その状況に耐えられなくなった女性達は次々と辞めていく。そして新しい女の子が入り、また彼の餌食になる・・・なんて状況はありえない。
彼一人を辞めさせれば済むことなのだから。
なーんて思いますけど、みなさんはどうでしょう?
ちなみに、あの番組の放送後、「あの相談、アンタが送ったんでしょ?」と友達から電話がきた。
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女上司は職場のトップに話してくれたらしい。
次の日、私はトップに呼び出された。
嬉しい事に、トップはアキラより私の話を信じてくれた。
アキラは私が精神病で彼につきまとっている。彼女が心配だ、と泣いていたらしいが、トップにはそんな彼がウソくさく見えたらしい。
そして・・・驚くべきことというか、やっぱりというか
アキラの経歴、あれは全部ニセモノだった。
有名大学も出ていない、専門学校卒だそうだ。
病気もウソだと思う、とトップは言った。
(私もそう思う。現に彼が「あと一年の命」と言ってから何年も経っている。まだ死んでないどころか入院もしていない。)
「彼の家族は、ウチの職場での彼の女性関係は何も知らないらしい。
好き勝手に遊ぶためにうまい事言ってアパート借りたんだろうね。」
アキラの奥さんの家のコネで、アキラは今の仕事に就いているらしい。
「でも、そんなケダモノの様な男は、辞めさせないと。全ての責任は男がとるべきだ。彼は何があっても辞めたくないと言っていたがね。」
トップはおじいちゃんなのだが、ものすごく素敵に見えた。
そして・・・・アキラはウチの職場を辞め(クビになり)、奥さんの家のコネで、再就職したそう。
ウチの職場を辞めた理由は、「今の仕事はやり遂げた。自分を高めるためにも新しい職場でチャレンジしてみたい。」
正確には、「今の職場の女達とは、一通りヤリ遂げた。新しい女をひっかけるためにも新しい職場でチャレンジしたい。」だろ!
懐が大きいというか、バカというか、アキラの奥さんはアキラを信じていて、今回の辞職に何の疑問ももたなかったそうだ。
新しい職場に、女の子いないといいけど・・・。
そして、チエコは未だにアキラと半同棲しているらしい。
アキラの後任で入ってきた人は、女性だった。
トップは、「これからは当分、女性しか採用しない。」と言っていた。
この女の園で、私はこれからも頑張っていく。
アキラは言っていた。
『僕がリサを幸せにしてみせる。』
『あなたの幸せは僕が保証するよ。必ず幸せにする。』
私の幸せはこれだったのか?
アキラは私から家族、職場での人間関係を奪い、そして今、仕事まで奪おうとしている。
情報通の女上司は、私がアキラにのぼせあがっている間の、様々な職場での人間関係を教えてくれた。
?まず、その女上司もアキラに言い寄られていたこと。
女上司の机には「今日、○○ホテルの●●●号室で待ってます。」というメモが何枚も置かれていたそうだ。
彼女は全く相手にしなかったそうだが。
?アキラは同じ課の岡江さん(38歳・既婚・子持ち)
とも付き合っていること。
彼女とアキラの二人での出張がやけに多いとは思っていたが、まさか付き合っているとは・・・。
?アキラと同じ課のさやかさん(33歳・既婚)は、アキラに言い寄られたが断り続けたため、アキラによって過酷な仕事を与えられ、精神的にまいってしまい、退職せざるをえなかった事。
さやかさん、日に日に顔に疲れが見えて、痩せていき・・・。
体調が悪いから辞めたのは知っていたが、その原因がアキラとは・・・。
?ダンナの転勤のために辞めていった伊藤さん(44歳)もアキラと関係を持っていた事。
けっこうオバチャンだったけど・・・マジ?
?私と同じ課にいたが、転勤していった原田さん(36歳・既婚・子持ち)とも関係を持っていた事。
彼女は私とアキラが付き合いだした事を知り、そのショックでアキラと別れ、転勤したらしい。どうりで途中からの私に対する態度が変だと思った。
転勤先では、私の悪い噂を言いふらしているらしい。
?アキラは岡江さん、チエコと付き合いながらも、今は斉藤さん(29歳・既婚・子持ち)と田中さん(38歳・既婚・子持ち)に言い寄っているという事。
お前は何人斬りを目指してるんだ?アキラ。
冗談でも美人揃いとはいえないウチの職場で、これだけの人数と関係がもてるアキラって・・・。
それに気付かなかった自分って・・・。
「自分はアキラに選ばれた!」って思っていたが、違うんだ・・・。
ま、一番の被害を被っているのは私だろうが。
人の事は言えないが、みんな、どうしてアキラに引っかかる?
人の事は言えないが、既婚者のみんな、家庭を大事にしようよ。
ヤツはウワサの「もてる呪文」を知っているのだろうか?
それより、みんな、なんで黙っているんだ?
女上司は言った。
『彼にはウチの職場から出て行ってもらわなければ、とずっと思っていたの。でもきっかけがなくてね。上層部は何も知らないし、彼に絶対の信頼をおいているけど、これだけ女に手を出しまくっている事を知ったら、彼を辞めさせざるをえないでしょ。リサさんの事は、私の件も含めて上層部に私が話してみるから。』
今の私がどんなに上層部に訴えても、誰も信じてくれなかっただろう。
まさに『捨てる神あれば拾う神あり』。
希望が見えてきた。
『僕がリサを幸せにしてみせる。』
『あなたの幸せは僕が保証するよ。必ず幸せにする。』
私の幸せはこれだったのか?
アキラは私から家族、職場での人間関係を奪い、そして今、仕事まで奪おうとしている。
情報通の女上司は、私がアキラにのぼせあがっている間の、様々な職場での人間関係を教えてくれた。
?まず、その女上司もアキラに言い寄られていたこと。
女上司の机には「今日、○○ホテルの●●●号室で待ってます。」というメモが何枚も置かれていたそうだ。
彼女は全く相手にしなかったそうだが。
?アキラは同じ課の岡江さん(38歳・既婚・子持ち)
とも付き合っていること。
彼女とアキラの二人での出張がやけに多いとは思っていたが、まさか付き合っているとは・・・。
?アキラと同じ課のさやかさん(33歳・既婚)は、アキラに言い寄られたが断り続けたため、アキラによって過酷な仕事を与えられ、精神的にまいってしまい、退職せざるをえなかった事。
さやかさん、日に日に顔に疲れが見えて、痩せていき・・・。
体調が悪いから辞めたのは知っていたが、その原因がアキラとは・・・。
?ダンナの転勤のために辞めていった伊藤さん(44歳)もアキラと関係を持っていた事。
けっこうオバチャンだったけど・・・マジ?
?私と同じ課にいたが、転勤していった原田さん(36歳・既婚・子持ち)とも関係を持っていた事。
彼女は私とアキラが付き合いだした事を知り、そのショックでアキラと別れ、転勤したらしい。どうりで途中からの私に対する態度が変だと思った。
転勤先では、私の悪い噂を言いふらしているらしい。
?アキラは岡江さん、チエコと付き合いながらも、今は斉藤さん(29歳・既婚・子持ち)と田中さん(38歳・既婚・子持ち)に言い寄っているという事。
お前は何人斬りを目指してるんだ?アキラ。
冗談でも美人揃いとはいえないウチの職場で、これだけの人数と関係がもてるアキラって・・・。
それに気付かなかった自分って・・・。
「自分はアキラに選ばれた!」って思っていたが、違うんだ・・・。
ま、一番の被害を被っているのは私だろうが。
人の事は言えないが、みんな、どうしてアキラに引っかかる?
人の事は言えないが、既婚者のみんな、家庭を大事にしようよ。
ヤツはウワサの「もてる呪文」を知っているのだろうか?
それより、みんな、なんで黙っているんだ?
女上司は言った。
『彼にはウチの職場から出て行ってもらわなければ、とずっと思っていたの。でもきっかけがなくてね。上層部は何も知らないし、彼に絶対の信頼をおいているけど、これだけ女に手を出しまくっている事を知ったら、彼を辞めさせざるをえないでしょ。リサさんの事は、私の件も含めて上層部に私が話してみるから。』
今の私がどんなに上層部に訴えても、誰も信じてくれなかっただろう。
まさに『捨てる神あれば拾う神あり』。
希望が見えてきた。
チエコをアキラ宅で見たその日から、チエコとは口をきかなくなった。
彼女は大人しそうで、守ってあげたい雰囲気を持っているが、その仮面の下の恐ろしい素顔を私は何度か見ている。
チエコは離婚寸前の彼氏に毎月20万円をもらっている。
『アイツの嫁やガキと同じ水準の暮らしをさせてもらわないとねー。』と笑っていたが、彼の家は、その使途不明金のせいで、かなり苦しい暮らしをしているらしい。
その穴埋めをするために、彼はパチンコに通っているそう。
ま、その男も自業自得か。
翌日、携帯が鳴った。アキラからだった。
出ると『もうオレに関わるな!警察につきだすぞ!殺すぞ!』と言い、電話は切れた。
警察につきだす?殺す?・・・意味不明。
そして職場の人たちの私に対する態度が明らかに変わり始めた。
誰も私と話そうとしない。
明らかに避けられている。
これはなにかあったに違いない。
32歳女上司。
もう相談できるのは彼女しかいない。
実はその上司とは、何年も一緒に仕事をしてきたが、ほとんどプライベートでは口をきいたことがない。
・・・ぶっちゃけ、全然仲良くはない。
でも、彼女の潔さ、正義感のあるところが昔から好きだった。
仕事ができる彼女は上司からの信頼も厚い。
その彼女に、「私、職場で何か言われてる?」と聞くと、
ナント、
『あなたが精神病を患ってて、アキラにストーカーしてるってもっぱらの噂だよ。彼は上層部に相談して、リサを辞めさせようとしてるよ。』
だと!
新たな闘いの始まりだ。
彼女は大人しそうで、守ってあげたい雰囲気を持っているが、その仮面の下の恐ろしい素顔を私は何度か見ている。
チエコは離婚寸前の彼氏に毎月20万円をもらっている。
『アイツの嫁やガキと同じ水準の暮らしをさせてもらわないとねー。』と笑っていたが、彼の家は、その使途不明金のせいで、かなり苦しい暮らしをしているらしい。
その穴埋めをするために、彼はパチンコに通っているそう。
ま、その男も自業自得か。
翌日、携帯が鳴った。アキラからだった。
出ると『もうオレに関わるな!警察につきだすぞ!殺すぞ!』と言い、電話は切れた。
警察につきだす?殺す?・・・意味不明。
そして職場の人たちの私に対する態度が明らかに変わり始めた。
誰も私と話そうとしない。
明らかに避けられている。
これはなにかあったに違いない。
32歳女上司。
もう相談できるのは彼女しかいない。
実はその上司とは、何年も一緒に仕事をしてきたが、ほとんどプライベートでは口をきいたことがない。
・・・ぶっちゃけ、全然仲良くはない。
でも、彼女の潔さ、正義感のあるところが昔から好きだった。
仕事ができる彼女は上司からの信頼も厚い。
その彼女に、「私、職場で何か言われてる?」と聞くと、
ナント、
『あなたが精神病を患ってて、アキラにストーカーしてるってもっぱらの噂だよ。彼は上層部に相談して、リサを辞めさせようとしてるよ。』
だと!
新たな闘いの始まりだ。
職場に仲のいい後輩がいる。
チエコ、30歳。
『職場は仕事をしにいく所で、友達を作る所ではない』と思っている私が、職場でただ一人心を許せる相手。
彼女も実は・・・既婚者と付き合っている。
彼女は私以上に激しい性格のため、妻子が実家に帰っている間、彼のアパートに行き、妻の服や子供の服をビリビリに破ったり、皿を割ったりと大暴れしたという武勇伝をもっている。
彼は、メチャクチャになった部屋を妻に見られ、言い逃れができなくなり、離婚寸前だそうだ。
そんなチエコと私は、既婚者と付き合う辛さを語り合う仲だった。
『アキラさん、許せない!リサさんの事を泣かせるなんて!』と本気で怒る彼女を可愛いなーと思っていた。
私の誕生日の2ヵ月後のアキラの誕生日。
アキラとは距離を置いたままだった。
このまま自然消滅になってしまいそうで怖かったが、強がってしまった手前、自分から連絡を取ることもできず、私はヤキモキしていた。
アキラは誕生日を妻子と過ごすのだろうか?
もしかして、アパートで一人寂しく過ごしているかも?
気になってしょうがない。
気がついたら、アキラのアパートの前にいた。
なぜか、チエコの車がとまっている。
「???どういうこと?」
車の前でボーっと立っていたら、「ちょっと待っててねー。」と言いながら、アキラの部屋から、チエコが出てきた。
「ちえこ・・・。」暗闇に立っている私を見て、チエコは慌てて車に乗り、逃げていった。
アキラはチエコとも付き合っていたのだ。
チエコも友達のふりをして、苦しむ私を見て笑っていたに違いない。
二人とも、最低だ。
チエコ、30歳。
『職場は仕事をしにいく所で、友達を作る所ではない』と思っている私が、職場でただ一人心を許せる相手。
彼女も実は・・・既婚者と付き合っている。
彼女は私以上に激しい性格のため、妻子が実家に帰っている間、彼のアパートに行き、妻の服や子供の服をビリビリに破ったり、皿を割ったりと大暴れしたという武勇伝をもっている。
彼は、メチャクチャになった部屋を妻に見られ、言い逃れができなくなり、離婚寸前だそうだ。
そんなチエコと私は、既婚者と付き合う辛さを語り合う仲だった。
『アキラさん、許せない!リサさんの事を泣かせるなんて!』と本気で怒る彼女を可愛いなーと思っていた。
私の誕生日の2ヵ月後のアキラの誕生日。
アキラとは距離を置いたままだった。
このまま自然消滅になってしまいそうで怖かったが、強がってしまった手前、自分から連絡を取ることもできず、私はヤキモキしていた。
アキラは誕生日を妻子と過ごすのだろうか?
もしかして、アパートで一人寂しく過ごしているかも?
気になってしょうがない。
気がついたら、アキラのアパートの前にいた。
なぜか、チエコの車がとまっている。
「???どういうこと?」
車の前でボーっと立っていたら、「ちょっと待っててねー。」と言いながら、アキラの部屋から、チエコが出てきた。
「ちえこ・・・。」暗闇に立っている私を見て、チエコは慌てて車に乗り、逃げていった。
アキラはチエコとも付き合っていたのだ。
チエコも友達のふりをして、苦しむ私を見て笑っていたに違いない。
二人とも、最低だ。
医者から「あなたは大丈夫。」と言われ、少しだけ目が覚めた。
ここから立ち直って行かなくては。
このままでは自分がダメになってしまう。
そして私はアキラに、
「あなたが離婚するまで、会うことはできない。
このままずるずる愛人になるわけにはいかない。」
「私の誕生日までに結婚するという、前からの約束は守って。」
と伝え、連絡をとるのをやめた。
私にとっては、これが最後の手段だった。
職場で会うアキラは、子犬のような目で私を見つめた。
「会いたい」「今夜待ってる」というメモが次々と私の机の上に置かれたが全て無視した。
またアキラのペースに巻き込まれるワケにはいかない。
そして私の誕生日が来た。
もちろんアキラは離婚しているわけもなく。
前にアキラは
『次のリサの誕生日には、100万円の婚約指輪をプレゼントするよ。
実は、もう予約してあるんだ。』
と言っていたが、郵送されてきたプレゼントは5千円ほどのスカーフ1枚だった。
そして手紙には、
『まだ離婚できてなくてごめん。
リサと結婚したい気持ちは変わらない。君を愛している。
だが、妻と子供の事も愛していてどちらかは選べない。
どっちも幸せにしたいんだ。
僕はどうすればいいんだ。
そして、君の最近の態度には僕に対する愛を感じることができない。
君と結婚してうまくやっていけるか不安になってきた。
あの時子供を産んでくれていたら結婚できたかもしれないのに、悲しいよ。』
は?
この手紙、どう思います?皆さん。
まるで、私のせいみたいなこの言い方。
これがアキラの本音か。
最悪の誕生日。
ここから立ち直って行かなくては。
このままでは自分がダメになってしまう。
そして私はアキラに、
「あなたが離婚するまで、会うことはできない。
このままずるずる愛人になるわけにはいかない。」
「私の誕生日までに結婚するという、前からの約束は守って。」
と伝え、連絡をとるのをやめた。
私にとっては、これが最後の手段だった。
職場で会うアキラは、子犬のような目で私を見つめた。
「会いたい」「今夜待ってる」というメモが次々と私の机の上に置かれたが全て無視した。
またアキラのペースに巻き込まれるワケにはいかない。
そして私の誕生日が来た。
もちろんアキラは離婚しているわけもなく。
前にアキラは
『次のリサの誕生日には、100万円の婚約指輪をプレゼントするよ。
実は、もう予約してあるんだ。』
と言っていたが、郵送されてきたプレゼントは5千円ほどのスカーフ1枚だった。
そして手紙には、
『まだ離婚できてなくてごめん。
リサと結婚したい気持ちは変わらない。君を愛している。
だが、妻と子供の事も愛していてどちらかは選べない。
どっちも幸せにしたいんだ。
僕はどうすればいいんだ。
そして、君の最近の態度には僕に対する愛を感じることができない。
君と結婚してうまくやっていけるか不安になってきた。
あの時子供を産んでくれていたら結婚できたかもしれないのに、悲しいよ。』
は?
この手紙、どう思います?皆さん。
まるで、私のせいみたいなこの言い方。
これがアキラの本音か。
最悪の誕生日。
私は病院が好きだ。
風邪をひいたり、お腹が痛くなったりすると、すぐに病院に行く。
でも、この病院に行くのは初めてだった。
『精神科』
あれだけの暴言を吐かれた後でも、アキラとの関係は続いていた。
母は、すっかりアキラに洗脳され、ボロボロに傷つきながらもフラフラとアキラについていく私を見てられないと泣いていた。
アキラに会う日の朝、起きたら枕元に母からの手紙があった。
手紙は、私を心配する母の気持ちと、もうアキラには会わないでほしいといった内容・・・だったと思う。
その時の私には、両親の言葉も、友達の言葉も誰の言葉も心の中に入ってこなかった。
アキラだけ。アキラの言葉だけが欲しかった。
アキラに、「つらい。涙ばかり出てくる。」と言ったら、
『病院に行ったほうがいいよ。』と精神科に連れていかれた。
医者に今までの状況を話した。
アキラとの事、ジンとの事、こどもの事・・・。
涙ばかりでる。死んでしまいたい。と。
その医者は、
「あなたは病気ではない。そんな状況におかれたら、誰でもそうなる。今は一時的にうつ状態になっているだけですよ。心配しないで。」
と優しく言ってくれた。
もうダメだと思っていたが、その言葉で救われた気がした。
しかし、この一件が後に私を困らせる事になる。
風邪をひいたり、お腹が痛くなったりすると、すぐに病院に行く。
でも、この病院に行くのは初めてだった。
『精神科』
あれだけの暴言を吐かれた後でも、アキラとの関係は続いていた。
母は、すっかりアキラに洗脳され、ボロボロに傷つきながらもフラフラとアキラについていく私を見てられないと泣いていた。
アキラに会う日の朝、起きたら枕元に母からの手紙があった。
手紙は、私を心配する母の気持ちと、もうアキラには会わないでほしいといった内容・・・だったと思う。
その時の私には、両親の言葉も、友達の言葉も誰の言葉も心の中に入ってこなかった。
アキラだけ。アキラの言葉だけが欲しかった。
アキラに、「つらい。涙ばかり出てくる。」と言ったら、
『病院に行ったほうがいいよ。』と精神科に連れていかれた。
医者に今までの状況を話した。
アキラとの事、ジンとの事、こどもの事・・・。
涙ばかりでる。死んでしまいたい。と。
その医者は、
「あなたは病気ではない。そんな状況におかれたら、誰でもそうなる。今は一時的にうつ状態になっているだけですよ。心配しないで。」
と優しく言ってくれた。
もうダメだと思っていたが、その言葉で救われた気がした。
しかし、この一件が後に私を困らせる事になる。
『お前の家族を皆殺しにしてやる!
いいか!今から行くから待ってろ!』
アキラのその声は本気のように思えた。
「やめて!」その叫びを聞きつけ、両親が私の部屋に来た。
「どうしたんだ?」
「アキラが今から来る!私達、殺されるかもしれない!」
父が、私から携帯電話を奪った。
「どういうことだ!」
そこで、アキラはコロっと態度を変えたそうだ。
『・・・違うんです。リサさんが僕を信じてくれないから、僕を心配してくれないから、ちょっとカッときちゃっただけで。』
『リサさんと結婚するという気持ちは変わりません。前から僕達は約束してました。次のリサさんの誕生日までには離婚して、結婚するって。』
猫なで声でそう言うアキラに、両親は拍子抜けし、電話を切った。
でも、私はあの時のアキラの言葉が忘れられなかった。
私の人生はなんなんだろう。
そして、私たちの小さな命は?
涙が止まらなかった。
気を張ってないと涙が流れる。
仕事をしてても、家にいても、気がつくと24時間涙が流れる。
私の心は、壊れてしまった。
いいか!今から行くから待ってろ!』
アキラのその声は本気のように思えた。
「やめて!」その叫びを聞きつけ、両親が私の部屋に来た。
「どうしたんだ?」
「アキラが今から来る!私達、殺されるかもしれない!」
父が、私から携帯電話を奪った。
「どういうことだ!」
そこで、アキラはコロっと態度を変えたそうだ。
『・・・違うんです。リサさんが僕を信じてくれないから、僕を心配してくれないから、ちょっとカッときちゃっただけで。』
『リサさんと結婚するという気持ちは変わりません。前から僕達は約束してました。次のリサさんの誕生日までには離婚して、結婚するって。』
猫なで声でそう言うアキラに、両親は拍子抜けし、電話を切った。
でも、私はあの時のアキラの言葉が忘れられなかった。
私の人生はなんなんだろう。
そして、私たちの小さな命は?
涙が止まらなかった。
気を張ってないと涙が流れる。
仕事をしてても、家にいても、気がつくと24時間涙が流れる。
私の心は、壊れてしまった。
職場に復帰する前の日、アキラは呑気な声で電話してきた。
『やっと歩けるようになったよ。明日から仕事に行くよ。』
「手術って嘘なんでしょ?奥さんと子供と旅行に行って、運動会にも出てたくせに。」
『なんの事?僕は手術してきたんだよ。』
「証拠もあるし、全部わかってるの。」
『・・・君は、僕が手術で頑張ってきたのに、僕の体を心配しないのかい?君にはがっかりしたよ。』
仕事を休んで、ディズニーランドで遊びまくってきて、何を心配しろというのか。
アキラは『もう別れよう。』と言い、電話を切った。
は?都合が悪くなるとすぐそれか。
30分後、アキラから『何を考えてるの?』と電話がかかってきた。
何を考えてる?聞きたいのはこっちだ。
「私は、アキラが私を傷つけないように嘘をついたと信じたい。」
精一杯、自分が傷つかないように考えた結果だった。
『お前の事を一言でいうと、大バカ女だね』
・・・今まで自分がやってきた結果がこれか。
私は、今までアキラに大バカ女だと思われていたのだ。
「もう、奥さんに離婚してくださいとお願いに行くしかない」
そう言うと、アキラの声色が変わった。
『今からお前の家に行って、家族全員皆殺しにしてやる!』
『オレを怒らせると怖いんだ!人を殺した事だってあるんだからな!』
・・・アキラの本性を初めてみた瞬間だった。
『やっと歩けるようになったよ。明日から仕事に行くよ。』
「手術って嘘なんでしょ?奥さんと子供と旅行に行って、運動会にも出てたくせに。」
『なんの事?僕は手術してきたんだよ。』
「証拠もあるし、全部わかってるの。」
『・・・君は、僕が手術で頑張ってきたのに、僕の体を心配しないのかい?君にはがっかりしたよ。』
仕事を休んで、ディズニーランドで遊びまくってきて、何を心配しろというのか。
アキラは『もう別れよう。』と言い、電話を切った。
は?都合が悪くなるとすぐそれか。
30分後、アキラから『何を考えてるの?』と電話がかかってきた。
何を考えてる?聞きたいのはこっちだ。
「私は、アキラが私を傷つけないように嘘をついたと信じたい。」
精一杯、自分が傷つかないように考えた結果だった。
『お前の事を一言でいうと、大バカ女だね』
・・・今まで自分がやってきた結果がこれか。
私は、今までアキラに大バカ女だと思われていたのだ。
「もう、奥さんに離婚してくださいとお願いに行くしかない」
そう言うと、アキラの声色が変わった。
『今からお前の家に行って、家族全員皆殺しにしてやる!』
『オレを怒らせると怖いんだ!人を殺した事だってあるんだからな!』
・・・アキラの本性を初めてみた瞬間だった。
アキラは入院中もメールを頻繁に送ってきた。
『今手術が終わった。』
『今日は血を吐いた。腹が痛い。』
『今日はリハビリ。まだ歩けない。』
私だけではない。職場の同僚達にも。
みんながアキラを心配していた。
そして一週間が過ぎ、アキラは退院したそうだ。
『歩くのがやっとの状態。とりあえず家で安静にしているよ。』
とメールが来た。
しかし、その後に友人からきた電話は、驚くものだった。
『ねぇ、○○町の町民運動会にアキラ一家が来てるよ!』
「え?アキラは退院したばかりだから、そんなワケはないけど・・・。」
『アキラ、100m全力で走ってるよ。』
なかなか信じない私に、後に友人は写メを送ってきた。
うっすらと赤いTシャツを着ている二人・・・。今日は赤のペアルックか・・・。
友人は近くに行って、アキラの妻がその友人と話している会話を盗み聞きまでしてくれた。どうやら彼らは長期の休みをとり家族でディズニーランドに行ったらしい。
アキラの妻はアキラの事を『優しいだけで、モノ足りないダンナなのよー。』とのろけていたらしい。
もの足りないか・・・。私には刺激的すぎるあの男が。
『今手術が終わった。』
『今日は血を吐いた。腹が痛い。』
『今日はリハビリ。まだ歩けない。』
私だけではない。職場の同僚達にも。
みんながアキラを心配していた。
そして一週間が過ぎ、アキラは退院したそうだ。
『歩くのがやっとの状態。とりあえず家で安静にしているよ。』
とメールが来た。
しかし、その後に友人からきた電話は、驚くものだった。
『ねぇ、○○町の町民運動会にアキラ一家が来てるよ!』
「え?アキラは退院したばかりだから、そんなワケはないけど・・・。」
『アキラ、100m全力で走ってるよ。』
なかなか信じない私に、後に友人は写メを送ってきた。
うっすらと赤いTシャツを着ている二人・・・。今日は赤のペアルックか・・・。
友人は近くに行って、アキラの妻がその友人と話している会話を盗み聞きまでしてくれた。どうやら彼らは長期の休みをとり家族でディズニーランドに行ったらしい。
アキラの妻はアキラの事を『優しいだけで、モノ足りないダンナなのよー。』とのろけていたらしい。
もの足りないか・・・。私には刺激的すぎるあの男が。
『妻が最後に思い出を作りたいって言ったんだ。しょうがなかったんだよ。』
『あの服も妻にこれを着てくれって言われたんだ。離婚するためには、そのくらいしてあげないといけないだろ。』
アキラはそう言った。私が『そんなの信じられない』と言うと、
『あっそう、信じられないなら別にいいよ。僕の事を信じられない人とは一緒にいられない。』と簡単に言う。
先に離婚した私は圧倒的に不利だ。
信じるふりをしてアキラを許すしかない。
アキラの妻は、アキラと別れる気がないらしい。
そこで、アキラは胃がんの手術が終わったら、離婚調停の申し立てを行うと約束してくれた。
その後、アキラの胃がんの手術が行われた。アキラは1週間の休みをとった。
胃がんの手術に1週間は短くないか?と疑問に思ったが、仕事が忙しいので医者に頼み込んで、入院期間を短くしてもらったらしい。
手術も内視鏡で行われるので、回復が早いらしい。
手術が終われば・・・離婚調停が始まる。あと少しの我慢だ。
しかし、私の期待を裏切る情報が次々と私の耳に入ってきた。
世間は狭い。
『あの服も妻にこれを着てくれって言われたんだ。離婚するためには、そのくらいしてあげないといけないだろ。』
アキラはそう言った。私が『そんなの信じられない』と言うと、
『あっそう、信じられないなら別にいいよ。僕の事を信じられない人とは一緒にいられない。』と簡単に言う。
先に離婚した私は圧倒的に不利だ。
信じるふりをしてアキラを許すしかない。
アキラの妻は、アキラと別れる気がないらしい。
そこで、アキラは胃がんの手術が終わったら、離婚調停の申し立てを行うと約束してくれた。
その後、アキラの胃がんの手術が行われた。アキラは1週間の休みをとった。
胃がんの手術に1週間は短くないか?と疑問に思ったが、仕事が忙しいので医者に頼み込んで、入院期間を短くしてもらったらしい。
手術も内視鏡で行われるので、回復が早いらしい。
手術が終われば・・・離婚調停が始まる。あと少しの我慢だ。
しかし、私の期待を裏切る情報が次々と私の耳に入ってきた。
世間は狭い。
「もう妻とは口もきいてないよ。離婚話をしようとすると逃げるんだ。」
そんなアキラがアパートを借りた。
「リサのためだよ。」
嬉しかったが、けじめとしてアキラが離婚するまでは同棲しないことに決めた。
別居したとなると、離婚するのは時間の問題だろう。
これで、アキラとずっと一緒にいられる。
しかし、アキラは休みの日は妻の家に帰る。
普段は仕事で忙しく、私たちは全く会えなくなった。
「休みの日に妻に会わないと、離婚の話ができないだろ?
全て、リサのためだよ。」
そして過ごした会えない日曜日。私はクミとデパートで買い物。
「ねぇリサ、アレってアキラじゃない?」
アキラが妻と子供と買い物に来ていた。
ピンクのトレーナーにピンクの帽子。
しかもペアルック。お前らは林家ペー&パー子か?
・・・20年前でも恥ずかしくて着れないよ、その格好。
おんぶ紐を胸でバッテン結びして、アキラは子供をおぶっていた。
そして・・・しっかりと妻と手をつないでいた。
アキラは私たちを見るなり、そそくさと反対方向へ歩き出した。
私は呆然としていた。
その日の夜、アキラと話し合うためにアキラのアパートへ行った。
ドアの前に立つと、アキラと奥さんの笑い声が聞こえた。
口をきいてないなんて、嘘。
離婚の話し合いなんて、嘘。
そんなアキラがアパートを借りた。
「リサのためだよ。」
嬉しかったが、けじめとしてアキラが離婚するまでは同棲しないことに決めた。
別居したとなると、離婚するのは時間の問題だろう。
これで、アキラとずっと一緒にいられる。
しかし、アキラは休みの日は妻の家に帰る。
普段は仕事で忙しく、私たちは全く会えなくなった。
「休みの日に妻に会わないと、離婚の話ができないだろ?
全て、リサのためだよ。」
そして過ごした会えない日曜日。私はクミとデパートで買い物。
「ねぇリサ、アレってアキラじゃない?」
アキラが妻と子供と買い物に来ていた。
ピンクのトレーナーにピンクの帽子。
しかもペアルック。お前らは林家ペー&パー子か?
・・・20年前でも恥ずかしくて着れないよ、その格好。
おんぶ紐を胸でバッテン結びして、アキラは子供をおぶっていた。
そして・・・しっかりと妻と手をつないでいた。
アキラは私たちを見るなり、そそくさと反対方向へ歩き出した。
私は呆然としていた。
その日の夜、アキラと話し合うためにアキラのアパートへ行った。
ドアの前に立つと、アキラと奥さんの笑い声が聞こえた。
口をきいてないなんて、嘘。
離婚の話し合いなんて、嘘。
離婚した私に課題はたくさんあった。
アキラに離婚してもらう。
まわりの人に理解してもらう。
アキラと暮らす新居を探す。
仕事をやめ、新しい仕事を探す。
そして・・・アキラと結婚する。
なにがなんでもそうしなくてはならない。
そのために・・・そのために非情な事をしたのだから。
でも私がしなくちゃならない一番は・・・アキラの病気を治す事。
たとえアキラが死ぬとしても、私は最後まで一緒にいたい。
でも死んでほしくない。
インターネットで胃がんに効く漢方というモノを見つけた。
何種類か組み合わせたら、総額20万円。
迷わず買った。今の私にはアキラの命より高いものはない。
アキラは「ウチの妻が買ったものより高いねぇ。」と笑っていた。
その後、アキラは実家に来て、私の両親にこう言った。
「リサさんは、私が必ず幸せにします。」
両親は「お願いします。」と頭を下げた。
私が友人の集まりに行くと、そこにもアキラは来た。
「リサさんの婚約者です。よろしくお願いします。」
私の周りで、アキラを知らない人はいなくなった。
アキラに離婚してもらう。
まわりの人に理解してもらう。
アキラと暮らす新居を探す。
仕事をやめ、新しい仕事を探す。
そして・・・アキラと結婚する。
なにがなんでもそうしなくてはならない。
そのために・・・そのために非情な事をしたのだから。
でも私がしなくちゃならない一番は・・・アキラの病気を治す事。
たとえアキラが死ぬとしても、私は最後まで一緒にいたい。
でも死んでほしくない。
インターネットで胃がんに効く漢方というモノを見つけた。
何種類か組み合わせたら、総額20万円。
迷わず買った。今の私にはアキラの命より高いものはない。
アキラは「ウチの妻が買ったものより高いねぇ。」と笑っていた。
その後、アキラは実家に来て、私の両親にこう言った。
「リサさんは、私が必ず幸せにします。」
両親は「お願いします。」と頭を下げた。
私が友人の集まりに行くと、そこにもアキラは来た。
「リサさんの婚約者です。よろしくお願いします。」
私の周りで、アキラを知らない人はいなくなった。
自分が選んだ道にもかかわらず、ジンを失って、心は空っぽになっていた。
8年間の月日は長い。
持っている物、服ほとんど全てにジンとの思い出がこもっている。
ジンと笑い合った日々を思い出す。
そして、私は最低限のモノを残し、それらを捨てた。
部屋は空っぽになった。
私の心と同じように。
8年間の月日は長い。
持っている物、服ほとんど全てにジンとの思い出がこもっている。
ジンと笑い合った日々を思い出す。
そして、私は最低限のモノを残し、それらを捨てた。
部屋は空っぽになった。
私の心と同じように。
簡単すぎた離婚への道。
2006年4月13日 過去 コメント (1)ジンが帰ってきたのは次の日の夜だった。
赤い顔・・・体にはびっしりとじんま疹がでていた。
「・・・とにかく病院に行こう。」と病院に連れて行った。
過度のストレスによるものとの診断だった。
「別れたくない。」とジンは言った。
「リサがしたことは許すから。別れたくない。」
赤い顔をしてそんな事を言うジンとこれ以上暮らすのは限界だった。
「ごめん、もう無理だから。」
私の頑固な性格を知ってか、ジンは驚くほど簡単に折れた。
そして、二人で離婚届を出しに市役所へ行った。
嫌いになったワケではない。でももう一緒にはいられない。
私はジンと暮らしたアパートを出て、実家に帰った。
ジンはアパートを引き払い、仕事をやめ、遠くに行ってしまった。
私と8年間暮らした土地にいるのはつらかったのだろう。
この土地には思い出が多すぎる。
赤い顔・・・体にはびっしりとじんま疹がでていた。
「・・・とにかく病院に行こう。」と病院に連れて行った。
過度のストレスによるものとの診断だった。
「別れたくない。」とジンは言った。
「リサがしたことは許すから。別れたくない。」
赤い顔をしてそんな事を言うジンとこれ以上暮らすのは限界だった。
「ごめん、もう無理だから。」
私の頑固な性格を知ってか、ジンは驚くほど簡単に折れた。
そして、二人で離婚届を出しに市役所へ行った。
嫌いになったワケではない。でももう一緒にはいられない。
私はジンと暮らしたアパートを出て、実家に帰った。
ジンはアパートを引き払い、仕事をやめ、遠くに行ってしまった。
私と8年間暮らした土地にいるのはつらかったのだろう。
この土地には思い出が多すぎる。
衝撃だった。アキラが胃がん?
「死にたくない」と涙をながすアキラを抱きしめて一緒に泣いた。
「僕は長くてもあと1年しか生きられない。残り少ない人生だけど、リサと過ごしたい。僕のために早く離婚してくれないか。」
そうだ。時間がない。
早くしなくちゃ。
そして、家に帰り、ジンに全てを話した。
アキラの事、子供の事、アキラの病気の事・・・。
殴られるか、怒鳴られるか、ジンの反応が怖かったが全て話した。
ジンは黙って話を聞いた後、家を出ていき、その日は帰ってこなかった。
「死にたくない」と涙をながすアキラを抱きしめて一緒に泣いた。
「僕は長くてもあと1年しか生きられない。残り少ない人生だけど、リサと過ごしたい。僕のために早く離婚してくれないか。」
そうだ。時間がない。
早くしなくちゃ。
そして、家に帰り、ジンに全てを話した。
アキラの事、子供の事、アキラの病気の事・・・。
殴られるか、怒鳴られるか、ジンの反応が怖かったが全て話した。
ジンは黙って話を聞いた後、家を出ていき、その日は帰ってこなかった。
手術が終わり、3日間は出血がひどく寝たきりだった。
ジンには「カゼで具合が悪い」とウソをついた。
「リサ、大丈夫?」と私を心配し、私の好きな食べ物を買ってきてくれるジン。
その優しさに、布団にもぐっては泣けてきた。
私はなんてひどい人間なんだろう。
「実は、好きな人ができて、その人の子供ができたんだけど、産むには時期が悪いから、中絶手術をうけてきたの。」なんていえるか?殺されるぞ、間違いなく。
アキラとの関係は相変わらずだった。
お互い今の配偶者と別れられず・・・密会は続いていた。
アキラは私の体の事をあまり気遣ってくれず、悲しかった。
そして手術から一週間後、アキラからある事を告白された。
「オレ、実は・・・胃ガンで、余命半年なんだ。」
ジンには「カゼで具合が悪い」とウソをついた。
「リサ、大丈夫?」と私を心配し、私の好きな食べ物を買ってきてくれるジン。
その優しさに、布団にもぐっては泣けてきた。
私はなんてひどい人間なんだろう。
「実は、好きな人ができて、その人の子供ができたんだけど、産むには時期が悪いから、中絶手術をうけてきたの。」なんていえるか?殺されるぞ、間違いなく。
アキラとの関係は相変わらずだった。
お互い今の配偶者と別れられず・・・密会は続いていた。
アキラは私の体の事をあまり気遣ってくれず、悲しかった。
そして手術から一週間後、アキラからある事を告白された。
「オレ、実は・・・胃ガンで、余命半年なんだ。」
嬉しい。嬉しい嬉しい。
アキラの子供がお腹にいる。
すぐにアキラに報告した。
「産んで欲しい。」アキラは笑顔でそう言った。
男の子と女の子の名前まで考えてきた。
この子のおかげですべてうまくいく。
この子は私とアキラを結びつけるために現れた天使だ。
だが、世間的にはこの子はジンの子供だ。
ここで私が離婚して、アキラが離婚して、この子を産んで結婚できたとしても、この子は周りになんて言われるだろう。
この子は幸せなのだろうか。
と、考えるようになった。
と、同時に
アキラの態度が徐々に変わりはじめた。
電話をしても出ない。メールもくれない。
奥さんとの関係にも何の変化もないらしい。
子供はどんどん大きくなる。つわりも出てきて苦しい。
私は焦った。
なんとかしなきゃ
なんとかしなきゃ
そして
アキラと二人で私の両親に打ち明ける事にした。
母はショックで入院した。
もうどうにもならない。
この子とサヨナラするしかない。
そして
アキラと二人、病院に行き、子供とお別れしてきた。
痛かった。
死ぬほど胸が痛かった。
ごめんなさい。
アキラの子供がお腹にいる。
すぐにアキラに報告した。
「産んで欲しい。」アキラは笑顔でそう言った。
男の子と女の子の名前まで考えてきた。
この子のおかげですべてうまくいく。
この子は私とアキラを結びつけるために現れた天使だ。
だが、世間的にはこの子はジンの子供だ。
ここで私が離婚して、アキラが離婚して、この子を産んで結婚できたとしても、この子は周りになんて言われるだろう。
この子は幸せなのだろうか。
と、考えるようになった。
と、同時に
アキラの態度が徐々に変わりはじめた。
電話をしても出ない。メールもくれない。
奥さんとの関係にも何の変化もないらしい。
子供はどんどん大きくなる。つわりも出てきて苦しい。
私は焦った。
なんとかしなきゃ
なんとかしなきゃ
そして
アキラと二人で私の両親に打ち明ける事にした。
母はショックで入院した。
もうどうにもならない。
この子とサヨナラするしかない。
そして
アキラと二人、病院に行き、子供とお別れしてきた。
痛かった。
死ぬほど胸が痛かった。
ごめんなさい。
ジンは優しい夫だった。
残業だと言って帰りが遅くても、
「友達に呼びだされて」と夜中に家を出て行っても、
「気をつけてね」と笑顔で送りだしてくれた。
作ったご飯には必ず「美味しいね。ありがとう。」と言ってくれて、
後片付けは「手伝うよ」と一緒にやってくれた。
お小遣いを節約し、記念日には必ずケーキとプレゼントを買ってきてくれた。
タバコも吸わず、酒も飲まず、ギャンブルも女遊びもせず、
「趣味はリサなんだ。」そんな夫だった。
夫婦生活も良好だった。
アキラと出会うまでは、一日おきに愛し合っていた。
しかし
アキラと愛し合うようになった今、
ジンとベッドを共にすることはできなくなっていた。
そんな日々が続いても、
私を愛し続けてくれているジンに、
私はどうしても「離婚したい」とは言えなかった。
そして、事件は起こった。
私はアキラの子供を妊娠したのだ。
残業だと言って帰りが遅くても、
「友達に呼びだされて」と夜中に家を出て行っても、
「気をつけてね」と笑顔で送りだしてくれた。
作ったご飯には必ず「美味しいね。ありがとう。」と言ってくれて、
後片付けは「手伝うよ」と一緒にやってくれた。
お小遣いを節約し、記念日には必ずケーキとプレゼントを買ってきてくれた。
タバコも吸わず、酒も飲まず、ギャンブルも女遊びもせず、
「趣味はリサなんだ。」そんな夫だった。
夫婦生活も良好だった。
アキラと出会うまでは、一日おきに愛し合っていた。
しかし
アキラと愛し合うようになった今、
ジンとベッドを共にすることはできなくなっていた。
そんな日々が続いても、
私を愛し続けてくれているジンに、
私はどうしても「離婚したい」とは言えなかった。
そして、事件は起こった。
私はアキラの子供を妊娠したのだ。
アキラとの夢のような3ヶ月が過ぎた頃、
アキラはひざまずいて私にこう言った。
「リサ、僕と結婚してくれませんか」
素直に嬉しかった。
こんなに優しくて、こんなに頼もしくて、きっと彼についていけば私は一生幸せでいられるだろう。
「はい。お願いします。」
「だけど、僕たちが一緒になるためには、お互い今のパートナーと離婚しなければならない。」
「女性は離婚してから半年は結婚できないから、リサ、君に先に離婚してほしい。その後すぐ僕が離婚するから、そしたら家を買って二人で暮らそう。」
そうだった。
ジンと離婚しなければいけないんだ・・・。
アキラはひざまずいて私にこう言った。
「リサ、僕と結婚してくれませんか」
素直に嬉しかった。
こんなに優しくて、こんなに頼もしくて、きっと彼についていけば私は一生幸せでいられるだろう。
「はい。お願いします。」
「だけど、僕たちが一緒になるためには、お互い今のパートナーと離婚しなければならない。」
「女性は離婚してから半年は結婚できないから、リサ、君に先に離婚してほしい。その後すぐ僕が離婚するから、そしたら家を買って二人で暮らそう。」
そうだった。
ジンと離婚しなければいけないんだ・・・。
アキラにホテルの部屋番号を聞いた私は
悪夢への入り口をノックしてしまった。
そこで待っていたアキラは、
すぐに私を抱きしめ、キスをした。
「愛してる」
そう言いながら。
予想以上の展開に私は驚き、
それ以上の事はせず、その日はすぐにホテルを後にした。
心は躍っていた。
その週、私は一週間で5?痩せた。
体温は上がり、胸は常に高鳴っていた。
そして私の不倫生活は始まった。
残業と称し、毎日密会を重ねた。
悪夢への入り口をノックしてしまった。
そこで待っていたアキラは、
すぐに私を抱きしめ、キスをした。
「愛してる」
そう言いながら。
予想以上の展開に私は驚き、
それ以上の事はせず、その日はすぐにホテルを後にした。
心は躍っていた。
その週、私は一週間で5?痩せた。
体温は上がり、胸は常に高鳴っていた。
そして私の不倫生活は始まった。
残業と称し、毎日密会を重ねた。
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