ペアルック。

2006年4月21日 過去
「もう妻とは口もきいてないよ。離婚話をしようとすると逃げるんだ。」

そんなアキラがアパートを借りた。

「リサのためだよ。」

嬉しかったが、けじめとしてアキラが離婚するまでは同棲しないことに決めた。

別居したとなると、離婚するのは時間の問題だろう。

これで、アキラとずっと一緒にいられる。


しかし、アキラは休みの日は妻の家に帰る。
普段は仕事で忙しく、私たちは全く会えなくなった。

「休みの日に妻に会わないと、離婚の話ができないだろ?
全て、リサのためだよ。」

そして過ごした会えない日曜日。私はクミとデパートで買い物。
「ねぇリサ、アレってアキラじゃない?」

アキラが妻と子供と買い物に来ていた。

ピンクのトレーナーにピンクの帽子。
しかもペアルック。お前らは林家ペー&パー子か?
・・・20年前でも恥ずかしくて着れないよ、その格好。

おんぶ紐を胸でバッテン結びして、アキラは子供をおぶっていた。
そして・・・しっかりと妻と手をつないでいた。

アキラは私たちを見るなり、そそくさと反対方向へ歩き出した。

私は呆然としていた。


その日の夜、アキラと話し合うためにアキラのアパートへ行った。

ドアの前に立つと、アキラと奥さんの笑い声が聞こえた。

口をきいてないなんて、嘘。
離婚の話し合いなんて、嘘。

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