ジンは優しい夫だった。

残業だと言って帰りが遅くても、
「友達に呼びだされて」と夜中に家を出て行っても、
「気をつけてね」と笑顔で送りだしてくれた。

作ったご飯には必ず「美味しいね。ありがとう。」と言ってくれて、
後片付けは「手伝うよ」と一緒にやってくれた。

お小遣いを節約し、記念日には必ずケーキとプレゼントを買ってきてくれた。

タバコも吸わず、酒も飲まず、ギャンブルも女遊びもせず、
「趣味はリサなんだ。」そんな夫だった。

夫婦生活も良好だった。
アキラと出会うまでは、一日おきに愛し合っていた。


しかし
アキラと愛し合うようになった今、
ジンとベッドを共にすることはできなくなっていた。

そんな日々が続いても、
私を愛し続けてくれているジンに、
私はどうしても「離婚したい」とは言えなかった。


そして、事件は起こった。
私はアキラの子供を妊娠したのだ。

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